第324回 新宿セミナー@Kinokuniya『九龍城砦Ⅰ 囲城』刊行記念
著者・余兒(ユーイー)さん来日ファンミーティング@紀伊国屋ホール
2025年8月2日(土)18:00~
私、エンタメ業界の裏方に20年ぐらいいます。
映画・音楽・アニメ、いろんなコンテンツに携わりました。
そんな私が、自腹で、3回も、映画館に観に行った作品「トワイライト・ウォーリアーズ」
その原作小説の先生・余兒さんが来日、ファンミーティングが開催さえるというので、これは行かねば!!と思った私です。
おかげさまで、運よくチケットが取れました。
人生初のファンミーティング参加で、ちょっとドキドキ。
SNSを観ていると私以上に、作品に対して愛情をお持ちで、現地・香港の『九龍城砦展』にいかれている方もいたりする中、私のような人間がファンミに行ってもいいだろうか?と悩んだのですが、でも、チケットがとれたのは事実なので、では、いけなかった方に、ミーティングの内容をシェア出来ればと思ってこの文章を書いております。
ちなみに、ファンミ会場に到着時点の私の「トワイライト・ウォーリアーズ」ステータスは
・映画鑑賞=3回(字幕2回・吹き替え1回)
・原作小説=120ページまで読んだ(2章7節まで)
小説半分も読めてないのに行くなんて、裏方やってった人間としては失格なのですが、でもファンミの途中で、これは原作をきちんと読んでないと上手く解釈できないなってお話が合ったので、正直にお伝えします。
ちなみに、読みながら「あれ?映画とストーリー違わん??」ってちょっと戸惑いながら読んでいて、まだ《龍捲風》と《陳洛軍》も出会ってないところまでしか読めなかった…
会場は、東京で映画を長いこと上映してました「バルト9」にほど近く、POP UPショップなどでもチカラを入れている、紀伊国屋書店新宿本店4階の紀伊国屋ホール。

ちなみに、Xで先生が紀伊国屋書店新宿本店でファンミを行うことは「運命だ」と投稿していたそうですが、その話もファンミの中でされています。
・余兒先生と九龍城砦
・小説と映画の違い
・《信一》はパーマ?
・余兒先生が真剣に「誰が強いか?」考えた
・《虎哥》の魅力を教えてください?!
・《龍捲風》と《信一》の関係は余兒先生の経験が反映されている
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余兒先生がご登壇されると来場者の温かい拍手が会場を包みます。
通訳の方と、早川書房編集部でこの作品の編集も担当されたウメダさんが登壇し、イノモトさんが司会のもと、ミーティングは進みますが、余兒先生の第一声は
「こんにちは、ユーイーです」
と日本語でのご挨拶。そのあと、余兒先生のお人柄が見えるご挨拶が続きます。
「今日はご来場ありがとうございます。東京にお住まいではない方もいらっしゃってると思いますが、本当に、暑い中お越しくださり、ありがとうございます」
私はそんなに遠くないところから行きましたが、地方から来た方は嬉しい一言ですよね!(何なら先生が一番遠くから来てる!)
ちょっと緊張気味な先生ですが、自己紹介の続きということでこんなお話をしてくださいます。
「今日、日本で皆さんとこういう形で会えて、しかも自分の作品が、日本語で、日本で刊行される日が来るとは思っていなかったので、大変光栄なことだと思ってます。これは皆さんの応援のおかげなので、とても嬉しく思っております。ありがとうございます。」
我々凡人には、なかなか想像出来ませんが、自分が書いた本が違う国の言葉になって販売されるなんて…しかもそれを皆さんの応援のおかげだと、ちゃんと言葉にしてくださる先生、お人柄がすんばらしい!
話の順番にれ変わりますが、イベントの途中で突如「補足」としてお話しされたことがあって、
「今回、日本で《九龍城砦》を発売するにあたり、編集部や宣伝部、営業の方やデザイナーなど、たくさんのスタッフの方の力を借りていますが、中でも、宣伝部みなさんに、本を売り出すためのキャッチコピーを書いてもらわねばなりませんが、本の内容を理解してないと書けないものではあるんですが、すごくいいキャッチコピーを書いてもらって、買ってもらえていると思うので、この場を借りて御礼を申し上げます。」
という、スタッフさんへの感謝の言葉。スタッフ冥利に尽きる一言ですよね!
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ここからはQ&A形式でお届けします。
・「九龍城砦」を書くことになった経緯
子供のころ、おじいさんに映画に連れて行ってもらうことがよくあったんですが、映画館が九龍城塞の近くにあって、映画に行くたびに外側を通って行ってました。その時に外から眺めて「この建築群は何だろう?」という疑問を持っていました。
大人になって漫画のシナリオライターになって、アクションの漫画を担当することになり、シナリオを書くためにロケハンやリサーチをやっていたのですが、そのうちに九龍城塞がアクションに適していると思うようになりました。香港の作品で九龍城塞を詳しく描いている作品があまりないので、自分で書く小説の背景にしたらいいかな?と思いました。
・日本で刊行されると初めて聞いた時にはどう思いましたか?
本当に嬉しいの一言に尽きます。自分の育った背景には、漫画など日本文化に触れる機会が多かったので、自分の作品が日本語で出る・日本で販売されるというのは、楽しみしかないし、届くまでドキドキしていました。
・「X」で紀伊国屋書店新宿本店が運命の場所と投稿いていたことについて教えてください。
20年ほど前、初めて日本に来た時に、すでに九龍城砦に関する書籍を探していました。
それで紀伊国屋書店新宿本店に来ていて、九龍城砦の写真集(おそらくこれ=《CITY OF DARKNESS-九龍城探訪-》(山内書店2004年刊行))
が目に入って衝撃的だったんです。どうしてかというと、香港人による、九龍城砦に関する詳しい資料が残っておらず、その本に美しい写真が載っていたんです。この写真集はイギリス人によって作られた本ですが、九龍城塞取り壊し20周年の時に再版をすることになって、(余兒先生は)インタビューを受けて、それが本に載っています。この一連の流れの原点は、紀伊国屋書店新宿本店にあるので、運命を感じました。
・小説と映画で設定が違う部分があるが、映画制作(脚本やキャスティング)はどこまで関わりましたか?
そこまで関わってはいません。今回はソイ・チェン監督になりましたが、監督が決まる前にいろんな脚本家からいろんな企画をもらいました。原作者として守りたいのは、友情・絆・熱血のメッセージといった、この作品のコアのテーマだったので、そこを変更したり、違う展開にしたいという脚本は没にしました。
最終的にソイ・チェン監督になりました、ソイ・チェン監督の作品を観たことがあって、ダークで重たいものが多かったので、そこだけ懸念していていました。なぜかというと《九龍城砦》は明るみのあるメッセージを届けたいと思っていたので、そこは綿密に打合せをしました。
あとは、映画になるのに、ストーリーの展開が変わるのは問題ありませんが、コアの部分は変えてほしくないということも綿密に打合せし、了承してもらい約束を守ってもらって、後はお任せという形で、ああいう映画になりました。
キャスティングに関して、もともと《龍捲風》と《信一》はこの二人で!というのが決まっていました。ストーリーの展開的に、サモ・ハン演じる《大ボス》がラスボスでいるだろうと思っていましたが、サモ・ハンの年齢(2025年に73歳?!)を鑑みると、ずっと撮影に参加するのは体力的に難しいので、途中から《王九》をラスボスにしよう!ということになりました。
物語の途中で《大ボス》と《龍捲風》が亡くなり、若い4人と王九しか残ってないのが、ちょっと冒険的じゃないかな?と思ったのと、《王九》を演じている《伍允龍(フィリップ・ン)》さんは有名なアクション俳優ではあるけれど、言い方はあれですがトップクラスの俳優ではないので、この5人で心配だったけど、ただ「やってみましょう!やってみる価値はあります!」ということで、今の形になっているので、結果良かったなと思ってます。
・映画から、原作小説に逆輸入というか、影響を受けたことはありますか?
《信一外伝》は、終章を書いている最中に、もう少し詳しく書こうという、なんとなくのイメージがあって、《龍捲風》と《信一》の日常をイメージしている部分がありました。周りからも「信一の話は書かないのか?」と言っていただいて書くことになりました。
映画からの影響は、ストーリーにはないのですが、映像が印象に残っている部分があって、例えば信一に関しては、映画を観て「《信一》ってパーマなんだ」って思いました。
それから《龍捲風》の家に真っ赤な鉄格子がありますが、小説では家の環境についての描写はなかったので、赤い鉄格子をイメージしながら小説を書いています。
ここで事前に募集した読者からの質問をピックアップ!
・キャラクターの名前に込めた意味や由来を教えてください。
《龍捲風》キャラクターに併せて考えた名前です。「竜巻」で、破壊力が半端なく、いっぺんにワーッとつぶすシーンがあるので、そういう名前にしました。名前としては少々ダサくて心配しましたが、結果的に皆さん気に入ってくださったので、よかったなと思っています。
《王九》は、「九」と「狗(いぬ)」はどちらも広東語で「ガウ」という同じ発音であり、「大ボスに飼われている狗」ということで「王九」という名前です。
《四仔》はAVという意味です。香港の映画は級数(日本でいうR指定)があるんですけど、三級がR18指定になになります。それより上で、モザイクがかけられていないとか、もっと激しいやつを《四仔》と呼んでいます。
一番いいネーミングは《信一》です。信用深い人であるので、とてもぴったりの名前であると思います。
・小説に書いてない裏設定があれば教えてください。
《龍捲風》と《信一》は師弟関係の段落は、頭の中にあって、まだ書き下ろしてなくて、後になって書き下ろすことになりました。《四仔伝》《十二少伝》はないのか?という話もありましたが《四仔》は、もともとヤクザじゃなくてモデルという設定だったので、バックグラウンドを深堀するのは難しいのでないと思います。自分の中に今あるのは、《十二少》《吉祥》《虎哥》この3人による一派の話なら作れそうだと思っていて、目標としては今年の9月10月あたりから連載出来たらなと思っています。(客席から拍手が起こり)この様子だともう書かないといけませんね。「(日本語で)頑張ります」
・忖度なく戦った時、洛軍・信一・十二少・吉祥・四仔、誰が一番強いですか?
事前に質問をもらって、目にしたとき、真剣に考えました。どうなるんでしょうか?
《信一》はこの5人の中で1番弱いです。指が細いという描写があり、ひょろひょろしている。裸でアクションするなら一番弱いです。ただ刀があると化けるという設定なので、刀があれば強くなります。
《四仔》に関してはボクシングをやっている設定で、パワフル派で力勝負なら勝てると思います。
《洛軍》はアクションのレベルは高いけど、《四仔》には負けます。でもすごく打たれ強くて、倒れても立ち上がれる精神です。
《吉祥》はどこまで行っても十二少の下にいる子で、一人前ではないので少し弱いかもしれないです。
《十二少》は剣道・柔道が出来て、頭脳はだったりするので、対戦すると頭で考えてたり、武術のレベルも高いので、《十二少》が勝つのでは?と思います。
でも武器を持っていいのであれば《信一》が勝ちます。
・先生の好きな作家・漫画家がいたら教えてほしいです。
幼いころから、映画や日本の漫画を見て育ったのですが、自分の記憶が正しければ、「北斗の拳」を小学生の時に読み、中学生の時に「スラムダンク」などを読んでました。
「九龍城砦」が影響された作品は「ワンピース」あとよく読んでいるのは曽田正人先生の「シャカリキ!」、小畑健「バクマン」、日本の小説でいうと湊かなえさん、乙一さんを拝見してます。
香港の大先輩だと古龍さん、李碧華さんの短編小説、溫瑞安さんの小説、この3人に影響を受けています。
あと自分にとって大事な作品があって「ジョジョの奇妙な冒険」です。
なぜ大事かというと、《陳洛軍》は一人で九龍城砦に入っていって、仲間と出会って絆ができて、最後、敵に抗いボスをやっつけていくという、チームつくりの話だけども、「ジョジョ」のストーリーの根幹になる部分もそうであって、主人公が仲間と出会い、絆ができて冒険していくという流れは、似ていると思うので大事な話です。
・作品の中に、チャーシュー飯など出てきますが、先生の好きな料理は何でしょうか?
好きなものはたくさんあります。香港でも日本のお寿司やラーメンを食べに行きます。香港らしい食べ物なら、好んで食べるのが、ロブスターのイーミン(伊麺)です。
(日本にない食べ物なので、イーミンが伝わらず、そこを察したのか、先生がすかさず、)
イーミンがわからなければ、チャーシュー飯の話をします!(会場爆笑)
映画の撮影中、ロケ弁を食べることになるのですが、一度現場に遊びに行った時に、ちょうどご飯の時間になって、弁当をいただいて、そのお弁当がチャーシュー飯でした。とってもとっても素晴らしいチャーシュー飯で、どこのお店のチャーシュー飯か?聞いたけどわからなくて、美味しくってもう一度食べたいなと思うのですが、結局どのお店かわからないままです。
いろんなお店でチャーシュー飯を出してますが、食べてまぁまぁ、もう一回食べたい!と思うチャーシュー飯にはなかなか出会ってなくて、そのロケ弁のチャーシュー飯は本当に美味しくって、美味しいチャーシュー飯との出会いも運命なんだなと思いました。
・先生から皆さんへ質問があると伺いました。
ちょっと難しい質問になるので、今すぐ応える必要はないのですが、映画が上映してヒットしてから「Tiger!Tiger!」ずっといわれていて、《虎哥》は結構、意外と人気なキャラクターのようで、自分で小説を書いている時は、そこまで力を入れていないキャラクター何です。ここまで人気が出ると思ってなくて、《虎哥》のお話しをもっと知りたいとか、《虎哥》の誕生日を教えろとか、色々あって、「なんで(こんなに人気)なんだろう?」ってずっと謎のまんまなので、みんなさんに聴きたいです。
今、ここで応えられないと思うので、直接DMで送ってください。
さっきもいったように《十二少》《吉祥》《虎哥》の一派の話の作品を書くことになっているのですが、今、この時点でも、《虎哥》の魅力のポイントがわかっていません!ぜひ、SNSで送ってください。(笑)
ここで、早川書房の宣伝が入りますが!
・イベント初公開の情報として、今年の冬にはシリーズ2作目「九龍城砦Ⅱ龍頭」と《信一》を主人公としたスピンオフ作品「九龍城砦外伝・信一伝」が刊行になりますと!
そこで次の質問はこれです。
・「龍頭」と「信一伝」について
「龍頭」は一番力を入れて執筆している作品です。どうしてかというと、「囲城」では《陳洛軍》は一匹狼で、まっすぐな設定なので、失敗しても「ダメになっちゃった」ってくらいで、心配はしてないのですが、《龍捲風》は塞民からすると神なので、この人の人格は壊せないと思ってて、「なぜこのタイミングで《龍捲風》はこういう選択をしたのか?」「こういうステップを踏んだのか?」失敗は許されないと思っているので、すごく考え込んで書いています。
《龍捲風》と新たな大ボスとの対峙・関係性、それと《龍捲風》と《陳占》2人の関係性も見どころで、この2人の関係性を作り上げるのに参考にしたのは「ロミオとジュリエット」です。恋心や男女関係ではないのですが、関係性を参考にしました。男同士の絆という関係性は「ロミオとジュリエット」から引っ張ってきたので注目して読んでみてください。BLではないです(笑)」先生、ご冗談を(笑)
「信一伝」に関して、3部作の中でも、違うトーンがあります。「囲城」は王道であって、「龍頭」の中の《龍捲風》は若いころなのでとても強い《龍捲風》が描かれていて、「信一伝」にも《龍捲風》は出てきますが、そこは《信一》と《龍捲風》の血がつながってないけど、親子関係みたいなものを描いていて、そこに出てくる《龍捲風》は料理をしてあげたりと家庭的だったり、《信一》の反抗期について悩んだり、「神」の人間性が見えてくる話なので、いろんな《龍捲風》が見られると思います。
冬に「龍頭」見られることになると思いますが、「囲城」と数か月しか刊行期間が空いていませんが、書き手としては10年ぐらいの間隔があります。「囲城」は若い時に書いたのもで、大人として成長して書いたのが「竜頭」なので、もうちょっと深みのある小説になるかと思うので、そこも注目して見てください。
なんで《龍捲風》と《信一》は血がつながってないのに、親子のような生活を送れるのかとよく聞かれます。設定上《信一》は《龍捲風》を慕っていて、九龍城砦の救世主のような、管理人のような人で、みなさんに信頼されているので、《信一》はこの人を支えていきたいと思っている。《龍捲風》にとって《信一》はかわいい子なのでかわいがって世話を焼いているというお互いの想いからなる関係性。
どうして、そういう血の繋がってない親子の描写をしたいかというと、先生は家族との関係性があまりよくなくて、代わりに周りの友達や奥さん、仕事の仲間などそういう人たちに支えられることが多かったのと、関係性というのは人と人の関係性だけではなく、猫(ペット)を飼っているので、それも家族。是枝監督の「万引き家族」も似たような描写があって、それが印象的だったので、そういうようなことも、自分の小説に反映しました。
・映画化が決まってから完成するまで、7,8年かかったと聞いてますが、その間先生はどんな気持ちでしたか?
7,8年の年月は、山あり谷ありでジェットコースターに乗っているような心境でした。最初映画化の話を聞いて、すぐできるだろうと軽く思っていました。ただ出資者の方と二人三脚で進んできたのですが、出資者から8,000万香港ドル(約15億円)の予算で作りたいといわれました。それで製作が進んでいくうちに、九龍城砦を再現しなきゃいけないので、セットをどうするか?建てるのか?建てないのか?監督は誰にするのか?この人にお願いしたいけどダメでしたとか。脚本も集めたけどダメだったりと、難関が1個1個やってきて落ち込んだ日もありました。
結果、監督が決まって、映画化の契約をしてから実際に物になるのに5年間かかり、出資者に「本当に決定しましたので」といわれても疑いつつ、実際クランクインになって現場に行ってセットを目の前にして「本物だ…」ということで映画になることを初めて実感しました。ものすごい作りが凝ったセットになっていたので、「これを作るのにいくらかかったんですか?」と出資者の人に聞いたら5,000万香港ドルかかったといわれ、残り3,000万香港ドルで実際映画製作はできるんですか?と聞いたら、今、実際の予算は3億香港ドル(56億円)と桁違いなことになっていて、最初の予算よりも3倍オーバーして作った映画だったので、最後に伺ってびっくりしました。
(次の質問に行ってしまったのですが、通訳の方が、ご丁寧にさっき、お伝えし忘れたといって補足してくださったのですが)
3億香港ドルの話を聞いてびっくりして、興行収入もいけたらいいなという想いも込めて、プロデューサーに「GOOD LUCK」っていいました。
・あとがきに「映画を見て感激した」と書いてありましたが?
ジェットコースターのような日々が続いて、ちゃんといい映画ができて感動したというのもあるし、《阿七》を演じている方は、役者ではなく小説作家で、昔からの知り合いでした。だから自分の小説の中のキャラクターを演じているその作家さんを見て変な感じになったし、お互い見つめあって「なんだろうな?」と不思議な気持ちになりました。
ルイス・クーが、自分の頭の中にしかいなかった《龍捲風》として目の前に立っているという感動にも震えて、そういったことも含めての「感動」でした。
九龍城砦は、実際、執筆を始めたときは、すでに取り壊されていて、実在しない建物になっていたので、セットによって再現され、セットとはいえ、九龍城砦に立てたというだけでもインパクトが強く、それにも感動しました。
・最後にご来場のみなさんへ一言
改めて、みなさん今日は集まっていただいて、来ていただいて、心から感謝しております。ありがとうございます。昨日、サイン会でお会いした方も、この中にたくさんいらっしゃると思いますので、みなさんお疲れ様でした。「ありがとうございました。」
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最後は先生ご自身が日本語で「ありがとうございました。」とおっしゃってました。
この後は、お客様も撮影OKなフォトセッションタイム!先生、写真を撮られなれてないのか、ポーズにお困りの様子。指でハートを作ってみたり、客席からのリクエストもあって、映画の宣伝にも使われている《龍捲風》のポーズを撮ってくださったり。


最後には舞台の下手から上手までセルフィーを数回撮影(笑)そのうち、先生のSNSに上がるかな?
最後の最後は演台の上にある司会用のマイクに向かって「まったねー!」とおっしゃって帰って行かれました。
イベントを通じて、早川書房さんから、いくつか宣伝がありまして、
・「ハヤカワ祭り」というイベントが9月14日、15日に行われますが、
14日に余兒先生再来日が決定しているとのこと!
www.hayakawa-online.co.jp
詳細はこれからのようですが、今回ファンミに参加できなかった方はぜひ!
・8月25日発売雑誌「ミステリーマガジン」では、九龍城砦特集を行います。
シリーズ2作目「龍頭」の冒頭を特別掲載し余兒さんへの8,000字を超えるロングインタビューを掲載
・イベント初公開の情報として、今年の冬にはシリーズ2作目「九龍城砦Ⅱ龍頭」と《信一》を主人公としたスピンオフ作品「九龍城砦外伝・信一伝」が刊行になります。
【個人的な感想】
・初めてこういったファンミーティングに参加しました。先生が緊張されているのと、言葉の壁があるので、なかなかに不自由な部分もあったのでは?と思うのですが、香港の方って、皆さんこんなにお優しいのですか?と思うようなファンやスタッフへの感謝の言葉があって、とっても感激しました。
・作者として大事にしたいことがはっきりと決まっていて、後はこだわりがないというのが、いいなともいました。
・作品にも縁が深く、ファンの皆さんもお好きであろうチャーシュー飯の話をしようととしてくださる姿勢と、そのエピソードを持っているとは…、先生もエンターテイナーですね!
・「誰が強い?」というファンからの質問に、考えてもいなかった設定を真剣に考えてくださる所や、映画で人気が出たチャーシュー飯の話を先生のエピソードも加えて話してくださる所はファンのことがわかっている方だなと思いました。
イベント中に「ここだけの話」として作品の今後の展開の話をしてくださったのですが、みんなが気になるだろうと思って、先生、わざわざ関係者に確認してくれたそうです。その心遣いが嬉しい!・・・ただ「ここだけの話」なので、ここでは書きません!(Xのアンケート機能を使って確認したところ「書いちゃダメ」と言われたので)
・今回一番刺さったのは、本当に個人的なことで、詳しくは書きませんが、家族や友達といった人間関係において、私も同じような経験、体験をしています。そういった関係値が《龍捲風》と《信一》に現れているなんて、私がこの作品に巡り合ったのには何か必然性があって、ハマるべきポイントがあったということなのかもしれません。きっと「信一伝」を読んで泣くんだろうなぁと思っております。
なんか、もう《龍捲風》と《信一》の関係性に込められた思いを聞いただけで、先生を応援したくなりました。
先生お若く見えるのですが、いくつかな?中学生の時にスラムダンクを読んでたというのは、多分世代的にもそんなに遠くない気がしております。
なので、これからもぜひ応援させていただこうと思います!
先生、素敵な作品をありがとうございました!来日してくださってありがとうございました!そして、早川書房の皆様、素敵な作品と私たちをつないでくださってありがとうございます!先生を日本にお招きくださって、ありがとうございました。